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"UKロックの大型新人"とはよく聞くが、コールドプレイといいJJ72といい21世紀に入りUKシーンは叙情派ロック全盛の兆しをみせている。で、このマイ・ヴィトリオール——NMEお墨付きのニューカマーとしてシーンを賑わせつつあるのだが、前述の"叙情派ロック全盛"の出鼻を挫くかのような激USオルタナ指向にまず驚かされる。
幼少期にスリランカから移住してきたというソム・フォルドナー(vo)を中心に98年に結成。99年に発表した限定シングル「Always:Your Way」が話題を呼び、その後メジャー・デビューを果たす。
メロディアス・パンクやミクスチャーといったスタイルが群雄割拠しているUSオルタナティヴ・シーンを見据えながらも、UKロックの醍醐味である麗しきリリシズムを捨てることなくかき鳴らされる彼らのギター・サウンド——ニルヴァーナからの影響も公言しているように、ポスト"ポスト・グランジ"としてのUKギター・ロックを"センシティヴかつダイナミック"という紙一重の危うさをもって繰り広げているのである。
1stアルバム『ファインラインズ』(01年)を聴けば、その二面性が絶妙に織り成す美しき地平を垣間見ることができるはずだ。

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