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70年代後半はアーント・サリーで衝撃を与え、80年代以降はソロで断続的に活動し、90年代半ば以降は、NOVO TONOやビッグ・ピクチャーも結成し、多彩な形で音楽を続けているPhewを中心にしたバンドだ。
結成のきっかけは、00年5月にスラップ・ハッピーのオープニング・アクトとして、山本精一&Phew Unitが出演したときのこと。リハーサルをしているとき、ちょっと違う感じのものということで、Phewのソロ・アルバム『秘密のナイフ』収録のパンク・ナンバー「ひとのにせもの」をやったらハマり、それがMOSTへとつながっていったのだ。メンバーは5人。山本精一(g、vo)は、ボアダムスや想い出波止場など無数のバンド/ユニットで活動中の人。PhewとはNOVO TONOも一緒にやっているし、98年にはデュオでアルバム『幸福のすみか』も出した。山本久士(b、vo)は、Phewがソロでやるときに長年バックをつとめていた。西村雄介(b、vo)はNOVO TONOのメンバーでもある。そしてドラムにフリクションで叩いてきた佐藤稔を迎え、00年11月にデビュー・ライヴを敢行。しばらくしてからストロボの茶谷雅之がドラマーとなり、01年9月に1stアルバム『MOST』をリリースした。
MOSTは、ささくれだったギターが音の中心になった性急なパンク・サウンドが基本。荒くれているようで、けっこう知的な雰囲気があり、実は端正だったりもする。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド〜ルー・リードを思い出すような部分もあり、深い曲だ。また歌詞で使う日本語は日常使われる言葉だが、それが逆に怖い。ニヒリスティックで突き放した感じのヴォーカルは、タイプは違えどジョニー・ロットンにも通じる。Phewはさまざまな側面をもつが、MOSTでは初期アーント・サリーをも彷彿させるほど刺々しいヴォーカルを聴かせ、日本屈指の女性パンク・ヴォーカルであることも示すのだ。 (行川和彦)

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