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活況を呈していた80年代のアメリカのアンダーグラウンド・シーンを代表するバンドであり、結成20年を経てなお現役第一線で活躍し続けているのが、ミート・パペッツだ。その存在は、ニューヨークのソニック・ユースにも匹敵するものとして評価さるべきであり、彼らのようなバンドに活動の場を与え続けているアメリカのアンダーグラウンド・シーンの懐の深さもまた、賞賛さるべきである。
ミート・パペッツは80年にアリゾナにて結成され82年に1stアルバム『MEAT PUPPETS』を<SST>から発表する。ブラック・フラッグのギタリストによって設立され、ブラック・フラッグ、ミニットメン、ディセンデンツ、ソニック・ユース、ハスカー・ドゥ、ダイナソーJr.といった、パンク/オルタナティヴ系のビッグ・ネームを輩出した<SST>は、<ホームステッド>や<I.R.S.>と並び80年代の米インディ・シーンを代表するレーベルだ。そして89年までに7枚のアルバムを<SST>からリリースしたミート・パペッツは、いわば<SST>の顔とでも称すべき存在であった。
そしてニルヴァーナやソニック・ユースなどのブレイクをきっかけに始まったグランジ/オルタナティヴ・ブームの後押しもあり、8枚目のアルバム『FORBIDDEN PLACES』(91年)で<ロンドン>レコードに移籍、ついにメジャー・デビューを飾る。<ロンドン>からは3枚のアルバムを発表するが、95年の『NO JOKE!』を最後にしばらく沈黙が続く。ファンを心配させたが、00年秋に<アトランティック>から5年ぶりの新作『GOLDEN LIES』を発表したのである。
パンク/ハードコアからブルース、カントリーまでを包含する彼らの音楽は、決して必要以上に先鋭的だったり難解だったりすることはない。アーシーでゆったりとした、素朴な手作りの感覚を強く残しており、その温かみのあるサウンドは、良い意味でのアメリカン・ロックらしい包容力を感じさせる。その魅力は、『GOLDEN LIES』においてもなお健在である。 (小野島 大)

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