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第二次大戦後、大英帝国には各国から移民が流入し、それぞれがジャマイカ/インド/ラテンのコミュニティを形成した——そして、そこからはさまざまな音楽が生まれた。
このマット・ビアンコも、ヒスパニック系イギリス人であるマーク・ライリーを中心に、ダニー・ホワイト、紅一点のバーシア(後にソロとして大成)によって結成された、ラテン・コミュニティならではのユニットである。サルサ/ボサノヴァをベースに、ソウル/ジャズ/AORのエレメントを巧みに取り込み、ダンサブルな高性能ポップスとして昇華させた。
彼らが1stアルバム『探偵物語』(84年)で披露した、ファンクとラテンを融合させたサウンド=ファンカ・ラ・ティーナは、聴衆に新鮮な驚きをもって受け入れられ、いきなりの大ブレイクを果たすことに。
しかし、その後ライリー以外のメンバーが脱退。新たにマーク・フィッシャーを迎え、デュオとしてスタート。アルバムごとにヒップホップ/アシッドジャズ/ブラジル音楽などのトレンド・スタイルを注入、独自のスタンス/価値観の上で磐石な人気を博していく。そういうファッショナブルなポップ・チューンは、当然のごとくチャートを席捲。6th『ワールド・ゴー・ラウンド』(98年)は日本でも30万枚を越すヒットを記録した。
また、00年に発表されたアルバム『リコ』では、自分たちのルーツともいえるキューバでの録音を一部採用し、新たなダンス・ミュージックの創造にトライ。マット・ビアンコの一ヶ所に安住せず、次々と新機軸を打ち出していくアティテュードには、脱帽させられる。04年に発表したアルバム『マットズ・ムード』ではベイシアを全面にフィーチャーし、スムーズな流れのある好作品を仕立て上げた。

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