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英国ブリストルのザ・ポップ・グループのメンバーだったマーク・スチュワート。ヴォーカリストというよりは稀代の"アジテイター"であり、作詞家というよりは世界中の不条理な現実をカット・アップする"ジャーナリスト"であり、音楽的にも常に進化をキープしている。80年末に解散した後もザ・ポップ・グループの元メンバーは音楽活動をしていたが、すべてにおいて最もラジカルな活動を続けているのは、やはりマークである。
ソロ活動をしていく上でずっとマークの一番のパートナーとなっているのは、エイドリアン・シャーウッドだ。<ON-U>を主宰し、自らエンジニア/ミキサーとしてダブの名盤をたくさん世に放つ人である。そしてマークは、しばらく"マーク・スチュワート+マフィア"という名義を使っていく。その1stアルバムは、83年の『Learning To Cope With Cowardice』である。レゲエ・バンドのクリエイション・レベルと組んだことも作用したダブの色が強い音作りと、世の混沌状況の中で自問自答を繰り返しつつ強い意志表示をあらためて示した歌詞で、待ち焦がれていたファンを熱くさせた。
その後しばらくはファッツ・コメット(タックヘッド)が演奏していくのだが、85年には2ndの『As The Veneer Of Democracy Starts To Fade』をリリース。ロックにヒップホップをブチこんでズタズタにしたような凄まじい音である。87年には3rdの『Mark Stewart』を発表。むろんダブ/コラージュの音作りだが、ゴーゴーからの影響もうかがえ、メロディアスな歌も聴かせる。90年には、ハードなギター・ワークとハウス・ミュージックとが交錯する『Metatron』をリリース。そして、95年に『Control Data』を発表。テクノを導入したが、その音はあくまでもアグレッシヴであり、ガッツ噴き出すマークのエナジーで加速したものだ。スタイルでなく、そこが一番大切なのである。 (行川和彦)

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