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シンガー・ソングライターというよりホワイト・ブルースマンといった方がしっくりとくる。憂いを秘めた声で呟くように歌い、自身の弾くギターから渋いオブリガートを連発。決して派手ではないが、ブルース・フィール溢れる歌声&演奏はワン・アンド・オンリーといっていい。
テキサス出身のマーク・べノは、60年代、L.A.に上京。レオン・ラッセルとのユニット、アサイラム・クワイアを組むものの、成功するには至らず、ソロ・アーティストへ転身する。そして70年にデビューを飾った彼の傑作は、何といっても2nd『雑魚』(71年)だろう。ボビー・ウーマック/ジェシ・エド・デイヴィス/クラレンス・ホワイト/ジム・ケルトナー/ニック・デガロという錚々たる面子をゲストに迎えたこの作品では、ブルースをベースにR&Bやゴスペルといった南部のルーツ・ミュージックをスパイスに効かせたサウンドを展開。ブラック・ミュージックの高揚感とべノの持ち味である繊細さが合わさったホワイト・ブルース/ブルー・アイド・ソウルの名盤となった。——その後、2枚のアルバムを発表するが、いつからかその名前はミュージック・シーンで聞かれなくなってしまう。
しかし、00年に『Sugar Blues』で突如復活を果たす。リラックスしたムードの中、肩の力の抜けきった歌唱を披露。また、レイド・バックした演奏も、耳に心地好い。

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