Mansunの記事一覧

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昨今多くの人が嘆きつづけているUKロックの衰退。しかし、UKロックの過去と未来が完全に集約されていると言っても過言ではないマンサンのサウンドを聴けば、俄然希望をもつはずである。
96年にデビューを果たし、翌年リリースした1stアルバム『ONE LP(アタック・オブ・ザ・グレイ・ランターン)』が各方面で高い評価を受け(オアシス『Definitely Maybe』以来のベスト・デビュー・アルバムと評された)、UKチャート1位を獲得。中心人物ポール・ドレイパー(vo&g)の自己破壊的なロック・スター然とした雰囲気も注目を得た。
デヴィッド・ボウイのグラム・スピリットと80'sニューウェーヴのエレクトロニック・アレンジ、そしてUKロックの醍醐味であるダイナミックなギター・サウンドがちりばめられたダークかつメランコリックな音世界———ルーティンを受け継ぐことによってルーティンを破壊するというマンサンの方法論は、新しい地平を切り拓いていく可能性を秘めたものといえるだろう。
00年に発表された3rdアルバム『リトル・キックス』では、さらにスケールを増した重層的なバンド・アンサンブルで美麗なメロディを存分に放出。それまでの暗鬱な精神世界をかなぐり捨て、"喜び"も"悲しみ"も素直に受け入れるポジティヴな局面を垣間見せた。