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歴史に"もし"はないというが、この男が生きていたらブルースはどのように変わっただろう。
マジック・サムは、50年代後半にバディ・ガイ、オーティス・ラッシュらと共にシカゴ・ブルース第二世代として登場し、新たなシーンを形成。伝統的なシカゴ・スタイルに、B.B.キングやボビー・ブランドなどに影響を受けたモダンな感覚を注入し、ニュー・タイプのシカゴ・ブルースを創生した。68年の『West Side Soul』を聴けば、その先進性は明らかだ。サム・クックをブルース化したような「That's All I Need」、ジョン・リー・フッカー直系のブギーをファンクとして増幅させたような「I feel So Good(I Wanna Boogie)」、そしてロバート・ジョンソンの古典をアーバンにアレンジした「Sweet Home Chicago」と、ソウル時代に対応したスピード感溢れるブルースが聴ける。——この翌年に心臓麻痺で急死してしまうわけだが、その後のブルースの停滞を考えると、ほんと惜しむべき才能をなくしたと言わざるを得ないだろう。他のブルースが次々とクラシック化していく中、これらの作品は現在でも瑞々しさを保っているのに驚くばかりだ。

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