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あらゆる意味で80年代のニューヨーク・ハードコアを引継ぎ、90年代のニューヨーク・ハードコアの象徴的なバンドになったのは、間違いなくマッドボールである。彼ら自身もそのことを自覚しており、歌詞や曲名に"ニューヨーク"や"ハードコア"という言葉がよく出てきた。そもそもマッドボールの始まり自体、アグノスティック・フロントのサイド・プロジェクト的に始まっている。
89年のデビューEP『Ball Of Destruction』のときのメンバーは、以下のとおりだ。ヴィニー・スティグマ、ウィル・シェップラー、ロジャー・ミレットといったアグノスティック・フロントのメンバーに加え、ヴォーカルがロジャーの弟のフレディ・クリシエン。ちなみに、当時フレディは中学生だったはずだ。そして92年にEP『Droppin' Many Suckers』を出す。初期のマッドボールのサウンドは、当時のメンバーを反映して初期のアグノスティック・フロントを思わせるものだった。
その後ロジャーが抜けてベーシストがホヤとなり、90年前後のアグノスティック・フロントのメンバーのマット・ヘンダーソンが入ってツイン・ギター体制化。フル・タイム稼動のバンドとなり、<ROADRUNNER>と契約し、94年に1stアルバム『Set It Off』をリリースした。以降96年に『Demonstrating My Style』、98年に『Look My Way』、そして<EPITAPH>に移籍して00年に『Hold It Down』を出す。
94年以降のマッドボールも多少メンバーは変わったが、初期のような速く走るパートはキープしつつ、メタリックな音とヒップホップにも通じるグルーヴをミックスし、モダンなハードコア/パンク・サウンドを確立。90年代のハードコアの一つのスタイルとなる。また歌詞は、ニューヨークの現実とハードコア魂の表明が基本だった。しかし、01年の日本ツアーを最後に解散した。(行川和彦)

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