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MCのフォンテとビッグ・プー、そしてプロデューサーの9thワンダーからなるラップ・トリオ=リトル・ブラザー。彼らはそのラップ・スタイルやサウンドにおいて、90年代初頭にN.Y.で勃興したニュースクール・ムーヴメントの(レイドバックした)特色を反映している。とはいえ、ただのマネゴトではなく、その特色を自分らなりに消化し、そこにユーモア性や新奇性(つまりはオリジナリティ)という爆発力のあるクリエイティヴィティを絶妙かつ高次元にブレンドしているため、彼らは一躍“アンダーグラウンド・ヒーロー”へと自らのスタンスを進めたのである。それも1枚のアルバム『リスニング』(02年)で。
このアルバムをリリースしたあと、9thワンダーの、ピート・ロックやDJプレミアのそれと肩を並べるほどのサンプリング・テクニシャンっぷりが世に広く知れ渡り、彼はジェイ・Zのラスト・アルバム(?)『ブラック・アルバム』(03年)やデスティニーズ・チャイルド『デスティニー・フルフィルド』(04年)にまで参加することになったわけである。それゆえメジャー・レーベルたる<ATLANTIC>に見初められ、05年現在リトル・ブラザーは、メジャー第1弾アルバムのリリースを控えている段階にある。
また、彼らはそれぞれにインディでソロ・アルバムもリリースしている。といっても、フォンテは新人トラック・メイカー=ニコレイとのフォーリン・エクスチェンジとしてアルバム『コネクティッド』(04年)を、9thワンダーはまだ正式には発表していない(リミックス・アルバムや未発表ビート集などはすでに発表)。が、その9thワンダーのトラックは、前述の超セレブ/スーパーリッチ・アーティストのアルバムでだけではなく、所属クルー=ジャスタス・リーグのアーティスト作品各種や、マーズ(リヴィング・レジェンズ)、ジーン・グレイ(元ワット・ワット/元ナチュラル・リソース)、ショーン・プライスやバックショットらブート・キャンプ・クリックの面々、コンシークエンスやマスタ・エースなどのN.Y.の大モノ勢など、インディ・レヴェルにおいてしこたま多く聴くことができる。
例えば今、USの若手で信頼できる気鋭の活動を繰り広げているトラック・メイカーを10人挙げろと言われたら、筆者はチョロランシンコ、サー・ラー、ワジード、マッドリブ、デイデラス、イードン、ケヴ・ブラウン、オメガ・ワッツ、ジャネイロ・ジャレルに並んで、この9thワンダーの名前を挙げる。とはいえ、「気鋭のトラック・メイカー」なんてあと100人ほどは列挙できるわけだが。

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