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Little Barrieの情報

(リトル・バーリー)

現在のUKロック・シーンは、かつてのオルタナティヴ、つまりはスカやレゲエからの影響も色濃いパンクやニューウェーヴのサウンドになぞった活動を繰り広げるアーティストが多いという。例えば、いわゆるムーヴメントを引き起こしたそれらの革新的音楽(もしくはアティテュード)の遺伝子を受け継いだ活動家たちがいなくなるのは至極残念だが、そういう過去を引きずる活動は“ノスタルジー”や“停滞”といった言葉に置換できるわけである。だが、ロンドン発のリトル・バーリーは違う。新しいなにかを自らのスタンスで、楽器で、歌声で、えもいわれぬヴィヴィッドなパワーで、創ろうとしている。少なくとも筆者はそう聴き受ける。
05年現在、デビュー・アルバム『ウィ・アー・リトル・バーリー』を完成させて間もないこの3人組は、全員20代前半という齢。グループ名のリトル・バーリーとは実質的なリーダー=バリー・カドガン(vo&g)のニックネームでももじったものだろう。そんな彼らのロック・サウンドのキモは「クロさ」。もともとロックは黒人が礎を作り、白人がオマージュしながら(時にオマージュしないで)発展させてきたものである。とはいえ、クロさを独自に発展させたジミ・ヘンドリックスらもいるわけだが、そのジミヘン・サウンドにも通ずるクロさが、リトル・バーリーからは如実に感じ取れるのである。そのクロさは、ひとえにファンキーさ、グルーヴィさというアーバン・ライクな言葉に置き換えてもいいかもしれない。日頃ブラック・ミュージックしか聴かない筆者が、彼らを好んで聴く理由はそこにあるのだ。
そのクロさの根底は、どうやら彼らが、50年代に活躍したロック・ギタリストのチャック・ベリーやブルース・ギタリストのマディ・ウォーターズたちを好んで聴いてきたという出自にもあるようだ。ナルホド、それらに影響を受けたであろうリトル・バーリーの独特な躍動感のあるギター音が、彼らのサウンドの骨になり、味になり、特色になっているわけである。そういう古い黒人音楽(このアルバムはソウルやファンクなどの影響も顕著だ)への嗜好が現代音楽(広義的なジャズやヒップホップなど)や本質的オリジナリティというフィルターを通ることにより、新たなロック・ミュージックへと昇華されているのである。
彼らは若さゆえか、怖いもの知らずとも思えるほどフリー・マインドかつ雑食的にさまざまなミュージック・エッセンスを自身の音に取り込んでいる。その大胆不敵なアプローチが、保守性に陥らずに実験性や冒険性という言葉に姿を変えて、彼らの音楽性にハッキリと反映されているのである。
それと、彼らのレーベル・メイトである“UK版アグリー・ダックリングのヤング・アインシュタイン”ことDJフォーマット、ヒップホップをこよなく愛すこのイギリスのナード・トラック・メイカーがリトル・バーリーの音に惚れたという事実も、彼らが放つクロさに折り紙をつけるものだろう。

制作協力:
OKMusic

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