Lil’ Romeoの記事一覧

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マスター・Pのレーベル<NO LIMIT>からはシルク・ザ・ショッカーやC・マーダー(05年現在刑務所のなかにいる。無期懲役という話も)など、彼の親族が続々とリリースを重ねているが、ついに息子までデビューさせた(というか“使役”に近いか)。それが、このリル・ロメオ(90年生まれ)だ。もともとジャーメイン・デュプリがクリス・クロスやダ・ブラット、(リル・)バウワウをデビューさせて成功させているだけに、このシーンには「キッズ・ラッパーが売れる!」という様式めいたものがあり、それがマスター・Pという青年実業家(兼ボーラー)の商魂を刺激したのだろう。
01年に、自身の名前を冠した1stアルバムを発表。キッズらしさを前面に押し出した“等身大”の内容となっている。なかでも特筆すべき楽曲は、ジャクソン5「アイ・ウォント・ユー・バック」をまんま拝借した「マイ・ベイビー」だろう。軽快なサウンドに乗せて元気溌剌とラップするリル・ロメオのさまは、実に微笑ましい。一方、耳なじみのよいR&B風のトラックから、そこはかとない哀愁を感じさせるマイナー調のトラックまで、ヴァラエティに富んだトラックをなんなく乗りこなすそのスキルは、けして侮れない。それもプロデューサー=マスター・Pの舵取り手腕のなせる業か。
02年には2nd『ゲーム・タイム』を、04年には3rd『ロミオランド』をリリースしているリル・ロミオ。声が大人のそれになるに連れてラッパーとしてのキャラクター性が薄れている感じはなくもないが、まだ若いしこれからに期待しよう。ちなみに“ロメオ”という名前のアーティストは既にソー・ソー・ソリッド・クルーにいるから、たぶん“Lil'”は取れないままだろう(ってロメオに改名したっていう話もあったと思うが……)。

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