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レフティー・フリッゼル(1928-1975)はカントリー・ミュージックの歌手がホンキー・トンクを歌う際の独自のスタイルを生み出した。ジョージ・ジョーンズ、ウィリー・ネルソン、ジョージ・ストレイト、それにランディ・トラヴィスといったミュージシャンの歌に見受けられる長く引き延ばされた母音の抑揚や、スムーズな言葉のつなぎ方はみなフリッゼルによって開発されたものだ。精神的に疲れた心をキープしつつ、ホンキー・トンクをより一般のリスナーにも聞き易いカタチにしたのはほかならぬフリッゼルだとさえ主張するカントリー音楽ファンもいるくらいだ。デビュー・シングルの「イフ・ユーヴ・ゴット・ザ・マネー、アイヴ・ゴット・ザ・タイム」から後々の大ヒット「シーズ・ゴーン・ゴーン・ゴーン」にいたるなかで、フリッゼルがどれほど大きな影響を与えたのかを見て取るのは容易だろう。ペダル・スチール・ギターのメソメソしたメロディ、そして柔らかいアコースティクな響きに絡まるその声は、まるでディキシーランドのトランペットが孤独にむせび泣いているようにも聞こえる。手にした酒にひとり涙を落とした最初のアメリカ人はおそらくレフティー・フリッゼルの愛に渇いた嘆き声を聴いていた人間かも知れない。

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