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ジャマイカ、キングストンが発祥地であるダブは、"タビーズ・ホームタウン・ハイ・ファイ"なるサウンド・システムを築いたエンジニア、キング・タビーが68年に発見する。73年には4チャンネルのマルチ・トラック・レコーダーを用いて、ヴォーカルやドラム/ベース音に、極端なエコー/リヴァーブを施すというダブの表現形態を確立。それは、ジャマイカの大衆音楽レゲエのみならず、世界各地のポピュラー・ミュージックにも影響を与えることになった(リズムを解剖するという手法はリミックスの起源でもある)。
同郷のプロデューサー、バニー・リーとスタジオの専属バンド、アグロヴェイターズという才能を従えたタビーは、73〜79年までの間、7インチ・レコードのB面に収録される "ダブ・ヴァージョン"のミキシングに没頭。そして、『Roots Of Dub』『Creation Of Dub』『Rockers Almighty』など多数の傑作を生み出した。なかでも、オーガスタス・パブロの『King Tubbys Meets Rockers Uptown』(76年)は、彼が手掛けた作品の筆頭として挙げられる名盤だ。——汚れた音が醸す、むせかえるほどに煙たいドープかつスピリチュアルな空気感。これこそが、ダブの真髄である。
その後、プリンス・ジャミー/フィリップ・スマート/サイエンティストといった、後のシーンを担うエンジニア/プロデューサーたちを育てあげたタビーは、80年代初頭から停止していた活動を85年、新スタジオ設立と共に再開。しかし、89年2月6日の早朝、何者かによって銃撃され、48年という短い生涯の幕を閉じた。

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