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シェブ・ハレド改めハレド。80年代後半から頻繁に来日もし、熱心なファンを獲得しているアルジェリアのスーパー・スターである。
"ライ"の帝王と呼ばれるものの、彼の音楽性は雑多でとてもユニーク、そしていたってポップだ。アラブ特有のアッパーな旋律とアグレッシヴな北アフリカのリズム、地中海の先取精神がミックスされて誕生したライであるが、ハレドが率いるグループの場合ファンクやレゲエのテイストも果敢にとり入れて、かなりモダーンでダンサブルな音楽に仕上げている。それは彼らがパリを起点に活動していることや、プロデューサーにWAS（NOT WAS）のドン・ウォズを迎えたりしていることも大いに関係しているだろう。
厳格なイスラムの価値観が未だに強い影響力をもつアルジェリアで、セックスや国の政治批判まで勇気をもって高らかに歌い上げるライ・ミュージシャンのなかでも、圧倒的な支持を受けるハレド——ちなみに彼の大ヒット作となったアルバム『khaled』（92年）は全世界で50万枚以上を売り上げたという（その大胆なポップ志向への転換で賛否両論であったのもまた確かだが）。「自分の人生」と呼ぶアコーディオンを片手に、まだまだ快進撃を続けてくれるはずだ。