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1961年アメリカ生まれ。
ケニー・ギャレットは巨匠マイルス・デイヴィスの元から巣立ったミュージシャンの中でも、特別な才能をもった最後の若手ミュージシャンと言えるであろう。デイヴィスが次第に演奏を少なくするにつれ、穴埋めの演奏ができる熟達したサイドマンに頼ることが多くなったが、その中で、ギャレットのエネルギーと強烈で複雑な即興演奏は高く認められ、最強のアルト・サックス奏者であることが立証されたのである。
ギャレットは17歳の頃からマーサー・エリントン改めエリントン・オーケストラでサックスを吹いていた。現在確立されている彼の実験的でファンキーな演奏からは想像しにくいが、その後多くのメインストリームのバンドも経験し、完全な音楽教育も受けている。また、(多くの若い、野心的なジャズ・ミュージシャンの登竜門ともいえる)メル・ルイスのグループへの参加や、偉大なヴィブラフォン/ピアノ奏者、ライオネル・ハンプトンとの共演も経験。84年には自らリーダーとして初レコーディングを行い、トランペット奏者ウッディ・ショーと、当時まだ無名だったマルグリュー・ミラーをピアノにつけた。続いて<ブルーノート>のOut Of The Blueプロジェクトに参加した後、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ(50年近くも続いた偉大なるバンド!)で密なジャズの教育を受け、若く奔放なプレイを見せつけている。
87年、マイルス・デイヴィスの音楽活動に参加することがギャレットのキャリアに火をつけたが、当時のギャレットには充分すぎるほどのポジションを与えられたことで技術も向上し、シンプルなリフやグルーヴを元にエギゾチックなスケール、洗練されたインナー・コードの変化でプレイに深みを増すことに成功。デイヴィスの死後も自らのアルバムを精力的に発表しながら、名うてのミュージシャン(ディジー・ガレスピー、ドナルド・バード、フレディ・ハバードなど)とのプロジェクトも並行して行っている。
ギャレットの数ある作品の中でも、是非オススメしたいのが、『African Exchange Student』である。 マルグリュー・ミラー(p)、チャーネット・モフェット(b)、トニー・リーダス(dr)に加えて、ところどころにロン・カーターやエルヴィス・ジョーンズの共演がみられるという豪華さだ。このレコードはルイ・アームストロングの「マック・ザ・ナイフ」から自身のタイトル・トラックまで——ギャレットのエッジィでアシッド感あふれるスタイルが凝縮されている。

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