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Kenny Barron

(ケニー・バロン)

「伴奏」の役割とは? 主役を喰ってしまうほどエネルギッシュな演奏だと本末転倒になってしまうし、その影に隠れるようにプレイしてもタダの置物と同じ。キッチリ主役を立てつつ盛り上げたりナダメたりし、最終的にはその楽曲をドラマティックなものに仕上げなくてはならない。……自分が目立つわけじゃないのにね。
そんな渋いポジションを好み、そのスキルを熟知しているピアニストがケニー・バロンだ。しかも、ひとたび彼がそれを行えば、曲は芸術品の域にまで昇華する。特にデュオの演奏は絶品。スタン・ゲッツ、最後のレコーディングとなった『ピープル・タイム』(91年)は、ゲッツの鬼気迫る演奏もさることながら、バロンのサポートがキモチ良すぎる。デュオの場合、ピアノにかかるリズム隊の役割はとてつもなく大きいが、ストライド/アルペジオ/左手でのベース・ライン/プレイヤーとの呼応/曲前半と後半でのパターンの使い分け……、彼はソノ全てを臨機応変に用い、見事なまでの音物語をつくりあげている。——ホント泣いちゃいます。このアルバムが、世間の注目を浴びるキッカケであり、一番の代表作といってイイだろう。
他に挙げるならば、トリオ・アルバム『ワントン・スピリット』(94年)やチャーリー・へイデン(b)とのデュオ作『ナイト・アンド・ザ・シティ』(96年)といったところだ。近年ではあのテナー・マエストロ、マイケル・ブレッカーとの共演が話題を呼んでいる。

制作協力:
OKMusic

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