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かせきさいだぁ

(カセキサイダァ)

かせきさいだぁ=加藤丈文。ボタンダウンのコットン・シャツとめがね、そして小脇に文庫本が似合う風貌——その佇まいも彼の詞世界も、非常に活字の匂いがする。「赤い真っ赤な浜茄子が/海を見てます/泣いてます(「苦悩の人」)」なんていう、言葉のサンプリングも素晴らしいハイブロウぶりである。昭和初期文学の香りと日本語の”もののあはれ”を封じ込めた世界観。そして俯瞰のアングルで淡々と風景を切り取っていく他称の視線はキモチよく冷徹でいて、良質なロード・ムーヴィのよう。さらに「キミの笑い顔から零れた歯は/とてもカワユイので……/いや/よく見ると糸引く唾液にエロチックなんて言葉思い出す(「相合傘」)」なんていう日本特有の淫靡もお手のものである。また、ヒックスヴィルの木暮晋也やTokyo No.1 SOUL SETの渡辺俊美といった個性派ギタリストとの息の合ったコラボレーションも見逃せないポイント。
96年に超名曲「さいだぁぶるーす」を配したアルバム『かせきさいだぁ』で登場して以来、文化系ラッパーとしての特異なポジションをマイ・ペースでキープし続けている。

制作協力:
OKMusic

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