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93年頃、L.A.にてジュラシック5は結成された。メンバーは、MCのアキル、チャーリー・ツナ、マーク・セヴン、ザーキル、そして、DJのカット・ケミストとニュー・マークの6人である。
グッドライフ・カフェのオープン・マイクで知り合った彼ら(もともとはレベルズ・オブ・リズムとユニティ・コミッティというふたつのクルーだった)は、オリジナルで刺激的なヒップホップをクリエイトするためにグループを組織。それまでにもグッドライフ・カフェは、ファーサイドやフリースタイル・フェローシップといった多くの才能を世に送り出しており、いわばヒップホップの登竜門といえる場所である。その後、ジュラシック5は1stシングル「ユニファイド・レベリオン」をリリース、彼ら独自のスタイルをそのまま作品として継続することに成功した。5人のマイクのタイトかつエンターテインメント性に富んだかけ合い、N.Y.オールドスクールを思い起こさせるハネたグルーヴ、表情豊かなターンテーブル・テクニック、そして勢いある強烈なステージ・パフォーマンス。世界中のヒップホップ・ヘッズたちがそんな彼らの魅力の虜になったのも必然だ。
97年にセルフ・タイトルのミニ・アルバムを発表、続いて『リリシスト・ラウンジ Vol.1』や『ワールド・フェイマス・ビート・ジャンキーズ Vol.2』、そして<QUANNUM>の『スペクトラム』など幾つものコンピレーションに参加。さらに自身名義のシングルも数枚リリースするなど、精力的な活動を繰り広げてきた。00年、メジャー・レーベルたる<INTERSCOPE>からメジャー・デビュー・アルバム『クオリティ・コントロール』を、そして02年には『パワー・イン・ナンバーズ』を発表。その確固たるオリジナリティとコンコンと湧き出るクリエイティヴィティで、シーンに不可欠な重要グループのひとつとなった。
しかし04年暮れ、J5サウンドの屋台骨でもあったカット・ケミストが脱退。往年のファンを中心に不安を訴える声も少なくはなかったが、06年夏にリリースしたメジャー第3弾アルバム『フィードバック』にはスコット・ストーチにサラーム・レミらを迎え、フタを開けてみればカラフルでポジティヴでソウルフルな、J5印の輝きを煌々と放つ楽曲を揃えてきた。彼ら5人はメジャー・フィールドの中に最も快適で、最も創造的な新天地を発見したのかも知れない。きっとそうだ。解散の噂だって、単なるウワサに違いない。ジュラシック5が解散するわけがない——そう自分自身に言い聴かせたヘッズは少なくなかったはずだ。07年2月、ワールド・ツアーの一環として行った日本公演でニュー・マークは言った。「This is last tour」と。メンバー間の意見の食い違いや、メンバーに対するソロ・プロジェクトのオファーなど、彼らが解散という選択肢を選ぶに至った原因は色々あったようだ。しかし、この15年間に彼らがヒップホップ・シーン、ひいては音楽シーン全体に与えてきた功績はあまりにも大きい。メンバー個々人の高いスキルと意識、緩急自在なマイク・リレー、オリジナリティ溢れる音楽性、極上のエンターテイメントとして確立されたステージ・パフォーマンス。その全ては我々の心の中で鮮やかな光を放ち続け、歴史の中で語り継がれていくことだろう。

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