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近年、再評価の動きが活発なブラジリアン・ソウル・ミュージックの先駆者、ジョルジ・ベン。ボサ・ノヴァやサンバの要素をアフリカンなファンキーネスのもと燃焼させた楽曲群は、あまりに革新的であり、衝撃であった。躍動感あふれるパーカッシヴなギター・プレイ、シャープでありながらもスウィートに響くヴォーカル、激しくシンコペイトするリズム……。彼のナンバーをサンプリング/カヴァーする若手ミュージシャンが跡を絶たないのも十分頷ける。
40年にリオの北部の街で生まれたベンは、ジョアン・ジルベルトの影響で音楽の道を志すようになる。クラブで演奏しているところを音楽関係者にスカウトされ、63年に「マシュ・ケ・ナーダ」でデビュー。以来、徐々にジョルジ“ならでは”のサウンドを確立。セールス的にも成功を収めていく。そして、最初のターニング・ポイントとなったのが67年のアルバム『O Bidu』。ロック/ファンクを絶妙に取り入れたブラジリアン・サウンドを展開。これは、ジルベルト・ジル(74年『ブラジリアン・ホット・デュオ』にて共演が実現)やカエターノ・ヴェローゾに大きな影響を与えたとされ、結果的に68年のトロピカリズモ・ムーヴメントへ大きく貢献した。76年には、最高傑作として名高い『アフリカ・ブラジル』を発表。タイトルが示すとおり、ブラック・ミュージックとブラジレイラを華麗に昇華させた、クール&ファンキーな音世界を披露。ベンの名を世界に知らしめた歴史的名盤である。余談だが、収録曲「タジ・マハール」は、ロッド・スチュワートの大ヒット・チューン「アイム・セクシー」の元ネタとして有名だ。その後も『Refavela』『Realce』など、コンスタントに秀作をリリースする。
80年代後半には、ベンジョールと改名。89年の『Benjor』は、従来の“らしさ”を十分発揮しながらも、コンテンポラリーにアレンジされたサウンド・プロダクションが実に美味。

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