> Joe Jackson

Joe Jackson

(ジョー・ジャクソン)

ジョー・ジャクソンほど幅広いモダン・ポップのキャリアの持ち主は、世界広しといえども他にはいまい。あの「怒れる男たち」と並び称されたエルヴィス・コステロをもってしてもだ。70年代後半のヒット「ルック・シャープ」にはパンクのエネルギーがこめられていたが、最初の3枚のアルバムからすでに骨っぽい、流線形のサウンドにあふれていた。ビッグ・バンドのスウィング・リヴァイヴァルの嵐が吹き荒れる前に録音された82年の『ナイト・アンド・デイ』は、辛らつな眼とソフトな音楽の洗練されたコンビネーション。ロキシー・ミュージックの『アヴァロン』と同時期で、ともにアダルト・コンテンポラリーのスタート地点となる。その後は実にいろんな実験を企てた。ジャズっぽい作品、現代版ギターの渡り鳥、映画のサウンドトラック…いい曲はかなりあるのだが、結果的にはチャートをどんどん転がり落ち、94年にはついにポップから完全に手をひいてしまう。ジャズとロック色の濃いオーケストラ曲を収録した『ヘヴン&ヘル』にはそそられないでもないが、だから一体どっちなんだ?という気にもさせられる。ホントは、彼のシャープな切り口と音楽性で、大衆の好みとマッチさせてポップな曲を書くとすごくいいのだが。

制作協力:
OKMusic

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