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80年代当時の若手ミュージシャンからはじまる、メインストリーム・ジャズへの回帰ブーム——その火付け役である黒人サックス・プレイヤー。チャーリー・パーカー(as)に始まるバップの歴史において、最終的進化段階ポスト・バップ(これからまた変化するかもしれないが)の中心人物だ。ストレスを感じさせない、しなやかなフレーズ/テクニック、ふくよかなトーンはパーカー直結のもの。モータウン・サウンドを聴いて育ち、彼に衝撃を受けてジャズに転身したワトソンなら当然の帰結である。テクニックが突出しており、なにかとアクロバットな演奏がとりあげられがちな彼だが、最大の魅力はバラードにおいてこそ発揮される。特徴的なベンディング・ノートを駆使して、楽器演奏より音楽的表現に重きをおいた「ブラッド・カウント」(88年の『ボビー・ワトソン&ホライゾン』)は、一世一代の名演。現在でも自己のバンド(ホライゾン)以外に、チャールス・ミンガス・ビッグ・バンド/テイラー・メイド・ビッグ・バンド/カーティス・ランディ・カルテットなど多数のバンドに参加、ニューヨークを中心に活動する超売れっ子ミュージシャンである。経歴上、最も有名なのは77年から81年まで参加したジャズ・メッセンジャーズへの参加であり、そこでは音楽監督も務めていた。サックス技術だけにとどまらず、トータル・スキルの高い彼ならではの経歴だ。

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