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めざましく増殖し続けるブラジル系ジャズ/ボサ・ポップの熟練アーティストのひとり。ブラジル音楽界で「奇人変人」といえば、誰もが思い浮かべるのはかのジョアン・ジルベルトだが、なかなかどうしてこのジョアン・ドナートも凄まじかったらしい(笑)。あまりのキテレツな行動ゆえ、一時期はレコード会社やプロモーターもお手上げ状態で、隠遁生活を送っていたのだが、そんな彼に光を当てたのは我らが小野リサだ。アルバム『Saudade』での共演が、ドナートのアーティスト魂に息を吹き込んだのだ。——以降、再びシーンに舞い戻りトム・ジョビンに捧げる新作や、念願のソングブック(なんと一挙に3枚!)を発表するなど快進撃をみせている。
彼はマルチ・インストゥルメンタリシト(美しいエレピなど溜め息もの!)であると同時に、アレンジャー及びヴォーカリストの才能も兼備。当初本人はヴォーカルをとることを極端に嫌がったらしいが、アルバム『Quem e Quem』にて、盟友マルコス・ヴァーリとアゴスチーニョ・ドス・サントスが半ば強引にマイク・スタンドに向かわせたとのこと。——しかし、これは大正解! 彼の「歌もの」は不思議と心奥に響いてくるような、渋さと郷愁に満ちているのだから。また、彼の率いるバンドは複雑なリズムを描きながらも、「現代のブラジリアン・ポピュラー・ミュージック」をしかと探求し続けているといえるだろう。

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