Henri Salvadorの記事一覧

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ブラジルの北隣フランス領ギアナに生まれたアンリ・サルヴァドールは、父親はフランス人の官吏、母親は現地人という生い立ちで、7歳のときに一家揃ってパリへ移住。それを知るとなるほど、彼の音楽から感じられる大らかなラテンの血とパリの洗練の融合ぶりに納得させられるものがある。
11歳のとき、デューク・ エリントンとルイ・アームストロングに夢中になり、若くしてドラムとギターをマスター。16歳にしてキャバレーで初舞台を決めた後は、あのギターの名手ジャンゴ・ラインハルトと出会い、彼のグループへ誘われたこともあったという。
非常に多芸なサルヴァドールだけに、タップダンサー→歌手→作曲家→ギタリストと活躍の場は広いが、彼の作る曲、そして歌声はどれも一貫してロマンティックで慈愛に満ちている。ジャズの基本とボサ・ノヴァの清らかな色香が織り成す、どこか懐かしく深呼吸のできるサウンド。御年80歳を軽く超えていながら(だからこそ?)、惚れ惚れするほどの男っぷりで聴き手を抱擁してくれるのだから、嬉しいではありませんか。
01年にリリースされたアルバム『サルヴァドールからの手紙Chambre Avec Vue』はフランス国内では50万枚を超える売上を記録(さすが恋愛の国だけに"真のいい男"は爺になってもモテる。しかも80過ぎてなおファッション誌からもラブコールが)。同時に『Victoires de La Musiques(←フランスにおけるグラミー賞)』で、「アルバム・オブ・ジ・イヤー」と「アーティスト・オブ・ジ・イヤー」の2つを獲得している。サルヴァドールの集大成ともいえる"超美メロ"の宝庫なこの作品、一度聴けば「生涯のフェイバリット作」になるに違いありません。

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