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Haircut 100

(ヘアカットワンハンドレッド)

わずか1年少々という活動期間ながら、プリズムの如く四方八方に輝きを放つポップソングは永遠に色褪せない。——ブリティッシュ・ポップの伝統に意気揚揚とラテン・リズムを取り込んで、はじけるようなファンカ・ラティーナを展開した6人組、それがヘアカット100である。
81年に「Favourite Shirts(BOY MEETS GIRL)<余談だが「好き好きシャーツ」なる邦題も秀逸!>」でデビューし、一躍アンテナ感度の高いワカモノたちの間で人気者に。また、続いてリリースされた82年の「ラヴ・プラス・ワン」もチャート上位に食い込んだ。この頃のイギリスでは、モダン・ロマンスやブルー・ロンド・ア・ラ・タークを始めとするファンカ・ラティーナ勢の活躍が目立ったが、その中でもヘアカット100のソングライティング/キュートなルックス/ファッション・センスは群を抜いていたといえるだろう。例えばフィッシャーマンズ・セーター+ツイードのパンツ+サスペンダーという粋な気こなしは、ファッションに一際うるさいロンドンにおいても、数多くのファッション/サブカルチャー誌のカヴァーを大々的に席捲したほどであるから(しかもデビューして間もないバンドが!)。
ところが、そんな人気絶頂時に中心人物であるニック・ヘイワードが脱退——バンドは自然消滅を余儀なくされるが(後にヘイワードはソロ活動に転向)、彼らの残したストレートに思春期を彷彿させる甘酸っぱいメロディは、ここ日本でも未だ熱狂的な支持を獲得。性急なギター・カッティング、荒々しくも目の前がいきなり開けるようなホーン、そして青春キーワードをちりばめた詞世界……は、日常生活に追われるオトナたちをも一気にティーン・ネイジャー気分に引き戻す、ポップの魔法に満ちているのだ。——そう、彼らをゆめゆめ、「一発屋」とだけは呼んではいけない(渇望)。

制作協力:
OKMusic

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