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ゴッドフレッシュは初期ナパーム・デスでギターを弾き、ヘッド・オブ・ディヴィッドでドラムを叩いていたジャスティン・ブロードリック(vo/g)と、元フォール・オブ・ビコーズで働いていた経歴をもつG・クリスチャン・グリーン(b)のふたりが88年4月に結成したユニットである。スワンズやキリング・ジョークあたりに端を発し、ビッグ・ブラックやミニストリー、スレイヤーといったバンドを経てナパーム・デスを筆頭とするグラインドコア〜デス・メタルに受け継がれていったヘヴィでストイックなメタル・ミュージックの、そのまた先を行く極限的なエクスペリメンタル音響を彼らは展開する。それは巷で言うところの様式的な「ヘヴィ・メタル」とはまったくちがう。かつてウィリアム・バロウズが「麻薬中毒の末期的な状態」を指す形容として使った「重金属的」という言葉に近い、いわば現代都市文明の退廃と混沌の象徴でもあると言えるだろう。
88年にミニ・アルバム『Godflesh』でデビュー、<イアーエイク>と契約し1stフル・アルバム『Streetcleaner』(89年)を、以降『Pure』(92年)、『Selfless』(94年)、『Songs Of Love And Hate』(96年)、『Us And Them』(99年)と発表。この間、元スワンズ/プロングの辣腕ドラマー、テッド・パーソンズが加わるなど、アルバムを追うごとに時代にあわせたリファインがなされるようになり、初期のカオティックな重苦しさが整理されていったが、『Us And Them』ではドラムン・ベースなどブレイクビーツを応用した柔軟なリズム・アプローチを見せるなど大胆な変化を披露し、ファンを驚かせた。ただし最新作『Hymns』では再び従来の彼ららしいブラック・サバスに通じるオブセッシヴなヘヴィ・サウンドに戻り、『Us And Them』的なアプローチは、ブロードリックの別プロジェクトであるヒップホップ/イルビエント/アンビエント音響ユニット、テクノ・アニマルやICEなどに受け継がれている。
ほかにも彼らが並行して展開するユニットは数多く、いわばゴッドフレッシュを中心とした英国エクスペリメンタル・ネットワークを形成しているとも言える。芯を失っている感のあるイギリスのシーンでは、特筆すべき存在である。 (小野島大)

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