> Gerry Mulligan

Gerry Mulligan

(ジェリー・マリガン)

往年のアメリカの好青年を体現する、クルーカットでキメた髪型と半袖シャツ。——そう、ジェリー・マリガンは、50年代のアメリカを代表する存在だった。
チェット・ベイカーと一緒に組んでいたマリガンのピアノレス・カルテットは、52年に結成されるやいなやたちまち一大センセーションを巻き起こし、ウエスト・コースト・ジャズを一気にメジャーにした。それ以前にも彼は、クロード・ソーンヒルやマイルス・デイヴィスへのアレンジメントを通じて、そのトレードマークとも言えるリラックスしたクール・ジャズのサウンドを手掛ける人物だった。
また、マリガンの成功にはその作曲能力以外にも、バリトン・サックスを自在に操る才能が大きく関係した。普通のプレイヤーの手による場合、この大きくて深い音の楽器はまるで小型のチューバのように聴こえてしまうのだが、マリガンはこの野獣をうまく手なずけ、まるでベン・ウェブスターが演奏するテナー・サックスのようにやすやすと扱ったのだった。彼はこの滑らかなスタイルを、それぞれが大きな影響を与えたカルテットや十重奏団、そしてビッグバンドなどにも流用している。
しかし残念ながら96年、まだ音楽家として脂が乗っている時に、膝の手術(彼は熱心なランナーだった)に起因するトラブルで逝去——。まぎれもないジャズ界の巨人をなんと早い時期に失ってしまったのだろう。

制作協力:
OKMusic

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版