Gene Simmonsの記事・ニュース・画像一覧

18歳のときに初めてギターを手にしたというジーン・シモンズは、子供のころからホラー映画やコミックが大好きだったという。コウモリを思わせるマントに、クチから血のりをしたたらせ、長い舌をひらめかせるステージングといい、火を噴いたり、宙吊りになったりといったアクティヴなパフォーマンスといい、キッスでの彼のスタイルの基礎となったのが、そんな幼少時代の趣味だったことはいうまでもない。
キッスでは、ポールとならぶメイン・ヴォーカリストでコンポーザーの彼が、78年に全員そろってソロ・アルバムをリリースしたときには、その顔の広さでチープ・トリックのリック・ニールセンやパワー・ステーションで活躍したマイケル・デ・バレスなど豪華なゲストを迎えて、あまりにも幅広い音楽性を披露。なにしろ、ディズニーで有名な「星に願いを」まで歌ってしまっていたのだから、当時のファンにしてみれば"？"の嵐。賛否両論で迎え入れられたものだ。
しかし、ヴァン・へイレンのデモ・テープをポケット・マネーで録ったり、後に自分のレーベルを設立して若いバンドをプッシュしたりといったプロデュース・ワークも早い時期から行っていて、日本からもEZOがジーン・シモンズのプロデュースで全米デビューを果たしている。
また、84年の映画『未来警察』に出演したのを機に、ちょこちょこと俳優としても活動して芸の幅を広げているあたりも、プロデューサーとして常に自分自身の可能性を探っているジーンらしいといえるだろう。
キッスの解散ワールド・ツアーで来日した際には、彼自身が描いたリトグラフをたずさえてくるなど、絵画に対する興味も示していて、キッス以降の彼の活動がどういう方向に向いていくのか、興味のつきないところでもある。　（大野祥之）