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72年、フィラデルフィアで生まれたG.ラヴを中心に編成されたG.ラヴ&スペシャル・ソースなるトリオは、ジャズのそれを倣ったような歌詞とヒップホップなどのビートを交錯させ、ゴキゲンなポップ・ブルースを(ある種の脱力感を伴いながら)堂々と完成させた。
もともと地元でなんとか生計を立てていたG.ラヴだが、92年にボストンにあるバーで、ジェフリー・クレメンツ(dr)と出会い意気投合、デュオを結成。間もなくジミー・プレスコット(b)がティームに加わり現在の編成になったという。クレメンツいわく「G.ラヴが最高のソングライティングを行い、我々はそこにブルースの精神を吹き込むんだ」。
94年、彼らはセルフ・タイトルのデビュー・アルバムを発表。それは20〜30年代にブルースの傑作を数多く生み出した古株レーベル<OKEH>が、90年代に入り新装開店した際の第1弾作品としてリリースされたものである。と同時に、このレーベル史上初の白人アクトにもなった。
3人のオリジナリティによって構築されたブルース・サウンド(それはフォーク/ヒップ・ホップ/ファンク/カントリー/ジャズ……およそほとんどのサウンド要素を呑み込んでいる)をアコースティック楽器によって生み出す——という制約のない自由なアプローチに対し、老いも若きもリスナーたちは諸手を上げて賞賛。彼らが紡ぎ出したヒップでルーズな新感覚ブルースは世界的に受け入れられたのだ。
2ndアルバム『コースト・トゥ・コースト・モーテル』(95年)は、ボストンからニューオリンズに移動して制作——倦怠感を伴うアーバン・ソウルやぞんざいなムードの音運びを披露したことにより、またもや世間から喝采を浴びる。04年にはGラヴ名義で6thアルバム『ハッスル』をリリースし、翌年行われた来日公演も各地でソールド・アウトを記録。ついに日本でも大ブレイクを果たした。

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