Front 242の記事・ニュース・画像一覧

フロント242はシーンに突如現れ、いとも簡単にビート、ノイズ、メロディ、アグレッションを融合し、史上最高に強力な「エレクトロニック・ボディ・ミュージック（EBM）」で、クラブのマニアたちのハートを直撃した。
80年代初頭にベルギーから出現した彼らは、キャバレー・ヴォルテールやスロッビング・グリスルのような革新的でエクスペリメンタルな側面と、デペッシュ・モードのようなエレ・ポップ色を混在させたサウンド性をもっている。そしてその奇妙なパフォーマンス——例えばパーカッションとマイナー・キーのシンセが不気味に、そして硬質に鳴り響くなか、「みんな、体を思う存分動かして踊るんだ！」とドスの利いたハイ・トーン（！）で叫び続けるインダストリアル・バンドが果たして他にいるだろうか？　
フロント242がスタイルとして"なんでもあり"なのは、パワフルでソリッドな楽曲構成と誘惑的なシンセ・サウンドを保持しつつ、良質なダンス・ミュージックを輩出できるという自負があるからだ。彼ら最大のヒット曲「Headhunter」は、その最高の例である。ヴォーカルは獰猛にエロティックな歌詞を叫び、ドラムとシンセは果敢に前進し、ノイズはジグザグを描きながらコーラスと合体していく——このナンバーは、EBMにおいて最も人々の記憶に残る、汗だくの賛歌といえるだろう。