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Frank Zappa

(フランク・ザッパ)

人間、誰もが年を取ると穏やかになる。世の無常を感じ、怒りを和らげ、刺激にも鈍感になっていく。でも、この男は違う。フランク・ザッパは、60年代、カウンター・カルチャーに反旗を翻したのを始め、生涯、反商業主義/アンチ・ドラッグを貫き、真のカウンターイズムを世に知らしめたのである。しかも、ただの精神主義倒れではない。フィジカルな面でも無類の強さを発揮し、ロックンロール/ドゥーワップ/ブルース/R&B/ジャズ/レゲエ/クラシック/現代音楽といったこの世に存在するありとあらゆる音楽を、高い演奏力でミックス、かつコラージュした“ザッパ・ミュージック”を作り出した。つまり、サンプラーもない時代に、ザッパはそれらの素材を、時にはバラバラに解体、時にはポップに構築——変幻自在に操り、ポップ・ミュージックの可能性をまたひとつ広げたのだ。
そして、アンチ・コマーシャリズムのアティチュードは、ザッパの存在自体のカルト化に拍車をかけ、彼の作品を聴くことは特別である、という風潮まで生み出す。その高純度化した思想は、彼を神のように崇め奉る”ザッパ・フリーク”なる人種までを誕生させた。彼の音楽を理解することは、宗教に耽溺するのと同じ甘味の快楽を信者たちにもたらしたのである。
そんなザッパも93年に昇天。しかし、彼が20世紀のミュージック・シーンに残した足跡は余りに大きく、余りに深いと言える。

制作協力:
OKMusic

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