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クラスに触発されたバンドの中でも、平和的な独自のアナーキスト思想もさることながら、マーチング・ドラムも多用した弾むビート主体のパンク・ロックをやっているバンドは、アナーコ・パンクとも呼ばれる。フラックス・オブ・ピンク・インディアンズは、その第一人者であり、だからこそある意味でその典型的なスタイルを生み出したとも言える。
パンク・バンドのエピレプティックスを母体に、70年代の末に結成。81年に<CRASS>からデビューEP『Neu Smell』をリリースする。このレコードの歌詞やアート・ワークをきっかけにヴェジタリアンになった人は、リー・ドリアン(ナパーム・デス〜カテドラル)ほか多い。そして翌年に、フラックス〜のメンバーのレーベル<SPIDER LEG>から、1stアルバム『Strive To Survive(Causing Least Suffering Possible)』を出した。いわゆるハードコア・パンクのストレートな走りではなく、アナーコ・パンクならではの屈折した走りの強力なサウンドと、露骨な表現で政治状況などを問いかける歌詞がミックスした傑作である。
それからまもなくして、彼らのサウンドは急展開した。83年の2ndアルバムの『The Fucking Cunts Treat Us Like Pricks』が、その証である。パンク・ロックの原型は留めつつも、もう完全にキレまくったカオティック・サウンドの嵐、ノイズすれすれ音なのだ。一方の歌詞は、政治や社会とセックスを絡め、さらに深化。行くところまで行った彼らは、まもなく解散してしまう。
そのあとメンバーの何人かはフラックスを始める。86年の1stアルバム『Uncarved Block』では、民俗音楽、ファンク、ジャズ、ダブをミックスしたサウンドになった。ちなみにリリース・レーベルは彼ら主宰の<ONE LITTLE INDIAN>で、後にビョークがメンバーのシュガーキューブスのアルバムも世に送り出した。(行川和彦)

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