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N.Y.の伝説的デュオEPMDやヒット・スクワッド、デフ・スクワッドを率いたエリック・サーモン。彼のアルバム『ノー・プレッシャー』(93年)や『ダブル・オア・ナッシング』(95年)の魅力を語る時、そのキーワードは「ブットイ低音」と「ファンク」と「大ネタ」——もちろん、彼の楽曲そのものを特徴も、その3語に尽きるだろう。
Pファンク・サウンド(特にザップ)を頻繁にサンプリングし、泥臭さとストリート感覚を絶妙にトラックに同居させる。さらに、耳なじみのよい大ネタを短くチョップしミニマルにループさせることで、その素材が持つキャッチー感を見事なまでに突き崩し、トラックを自分の色に染め上げていく。その“独自のカラー”とは、時に不気味な雰囲気すら醸し出すものだ。それらのトラックに、モタつくような、粘着感の強いラップが重なることで、重厚な漆黒のヒップホップ・サウンドが完成するのである。
また『ダブル・オア・ナッシング』以降も、『ミュージック』(01年)、『リアクト』(02年)、『チルタウン,ニュー・ヨーク』(04年)などのアルバムを次々に発表。幾分ポップ感が色濃くなってきているが、このヴェテランは、まだまだ“黒い”プロダクションを披露してくれる。

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