>  >  >  > Erick Anderson

Erick Anderson

(エリック・アンダースン)

悲運のシンガー・ソングライター、エリック・アンダースン。キャリアが頂点を描こうとしていた時に、作品を収めた“マスター・テープ紛失”という事件に見舞われ、多くのものを失ってしまう。
アンダースンは、フォークのメッカ、グリニッチ・ヴィレッジでキャリアをスタートさせた。当時主流を占めていたプロテスト・ソングとはスタンスを異にし、“愛”“放浪”といった内省的なテーマを歌い、やがて来るシンガー・ソングライター・ブームの先鞭をつけた。65年にデビューを飾った彼は、初期こそウディ・ガスリー/ボブ・ディラン直系の弾き語りを聴かせていたが、やがてフォーク・ロックやカントリー・ロックに接近。8thアルバム『ブルー・リヴァー』では、プロデュースにノーバート・プットナムを迎え、カントリーの聖地・ナッシュヴィルで録音を敢行した。アンダースンのギター/ピアノの弾き語りを軸に、名うてのミュージシャンたちがシンプル極まりない演奏でバック・アップ。簡潔な音像がナイーヴな歌を際立たせることに成功し、繊細なロマンティシズムをたたえた傑作となった。ところが次作『ステージズ』のマスター・テープ紛失のため、さらなる成功の機会を逃してしまったのだ。
しかし90年代に入ってからの、ノルウェーのシンガー・ソングライター、ヨナス・フィエルと元ザ・バンドのリック・ダンコによるユニット、「ダンコ・フィエル・アンダースン」での活動や、コンスタントにリリースされる良質な作品の数々は、いまだアンダースンが現役であることを証明している。根強いファンが存在しつづけるのも頷ける話だろう。

制作協力:
OKMusic

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版