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コーラス・ワークの美しさを誇るグループは星の数ほどいれど、さらにパンチが利いているグループとなると、そう多くはいないだろう。インパクトのある才媛コーラス・グループ、アン・ヴォーグ——彼女たちと同じ時代を共有できることを感謝しなければいけない。
スタイリッシュなルックスの4人、ドーン・ロビンソン/テリー・エリス/シンディ・ヘロン/マキシーン・ジョーンズにより結成され、90年に『ボーン・トゥ・シング』でデビューを果たしたアン・ヴォーグ。アーバンな芳香のなかに懐かしさを溶け込ませたような、表情豊かなそのコーラス・ワークは、なにものにも代えがたい圧倒的な存在感を持つものだ。さらに、彼女たちがアカペラを披露しようものなら、全身が鳥肌だらけになることを覚悟しなければならない。アップ〜スローまで多彩な楽曲群から醸し出される、強さや温かさ——それは女性アーティスト特有の母性的な魅力に溢れている。また、ヒップホップ・オリエンテッドなサウンドも見せる彼女たちは、ヒップホップ・サイドからの支持も厚い。
97年リリースの3rdアルバム『EV3』を最後にドーン・ロビンソンが脱退し、3人組となったアン・ヴォーグ。その後もクオリティの高いコーラス・ワークを披露しているものの、巷では「なにかもの足りない」という声が噴出。個々のハイ・レヴェルなヴォーカル・パワーは誰しもが認めるところだが、やはりアン・ヴォーグとしての魅力は4人が揃ってこそ成立していたもの、なのか?
という心配は杞憂だったようだ。テリー・エリスとシンディ・ヘロンのデュオになったアン・ヴォーグは新たなシンガー、ローナ・ベネットを迎え入れ、『ソウル・フラワー』(04年)をドロップ。オリジナル4人組だった頃と比べてもなんら遜色のないコーラス・ワーク見せる彼女たちに、「こういうのを待ってたんだよ!」とヒザを打ち鳴らしたファンも多かったはず。セクシーでストロングで、インディペンデント……。彼女たちは年を経るごとに美しくなる。

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