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ネオアコ・ギター・ポップ少年少女の必須アイテムであり、永遠のアイコンであるエドウィン・コリンズのキャリアの端緒は、オレンジ・ジュースというポスト・パンク・バンドに発している。
いわゆる「アノラック・サウンド」の震源地としてアズテック・カメラ、ジョセフK、ブルーベルズ、ロイド・コール、パステルズ、ヴァセリンズ、ティーンエイジ・ファンクラブ、BMXバンディッツ、ジーザス&メリー・チェイン、プライマル・スクリームといったバンドを輩出、パンク以降の最重要レーベルである<ポスト・カード>や<クリエイション>を生んだスコットランドのグラスゴーで、79年にオレンジ・ジュースは結成された。ポスト・パンクを巡りニューウェイヴやハードコア・パンクという形でより一層アンチ・ロック的な過激化・先鋭化の一途を辿っていた当時のシーンだが、グラスゴー周辺の動きは、スコットランドに住む市井の若者たちの日常感覚と音楽への愛情とヒリヒリしたポスト・パンク的な絶望感を兼ね備えながら、よりソング・オリエンティッドで、R&Bやファンクまで広がる幅広く柔軟な音楽性を目指していた。オレンジ・ジュースの一連の作品は、その象徴であり、とりわけ<ポスト・カード>からの4枚のシングルは、その美しく純粋な結晶である。
81年にメジャー進出、より黒人音楽志向を強めていったオレンジ・ジュースは結局4枚のアルバムを残して解散、エドウィン・コリンズはバンド存続中からソロ活動を開始、89年に1stアルバム『Hope And Despair』を発表。以降現在まで4枚のソロ・アルバムをリリースしている。とりわけ「A Girl Like You」という彼最大のヒットを生んだ3rd『GORGEOUS GEORGE』(94年)や、4作目『I'M NOT FOLLOWING YOU』(97年)は、ソウル・ミュージックを独自の解釈で展開した温かい曲調と辛辣なメッセージが同居した彼独自のポップ・ミュージックが花開いた感がある。ここのところ沈黙が続いているが、新作が待たれる。 (小野島 大)

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