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ボブ・マーリィを始め、スカ時代から活躍したレゲエ界のスーパースターは数あれど、ジャマイカ国内で20曲連続No.1ヒットを飛ばすという快挙を成し遂げたシンガー、デスモンド・デッカーに匹敵するミュージシャンはそうそう居るまい。
キングストンのしがない溶接工だったデッカーは、<スタジオ・ワン><トレジャー・アイル>といったメジャー・レーベルのオーディションに落ちまくった後、名プロデューサー、レスリー・コングに拾われ、63年めでたくデビュー。「Honour Your Father And Mother」と題されたデビュー曲は、ジャマイカ国内及びクリス・ブラックウェル率いるイギリスのレーベル<アイランド>からもリリースされた。同時期に、自らのバッキング・コーラス・グループ、エイシズを結成し、ロック・ステディ・ブーム真っ只中の60年代中頃〜後半にかけて爆発的な人気を誇った。その人気はイギリスにも飛び火し、ジェームス・ボンドにインスパイアされたというシングル「007」で、UKチャートにも進出。さらに69年には、シングル「Israelites」(日本でも「イスラエルちゃん」という邦題で発売された)で、レゲエで初めてのUKチャートNo.1の座を射止め、レゲエに馴染みの浅かったアメリカにおいてもトップ10入りを果たすという、文字通り世界的なヒットを放った。
デッカーの人気が引き金となって、この後ハリー・J・オールスターズ、リー・ペリーといったジャマイカン・ミュージシャンの存在がイギリスに広く知れ渡り、当時全盛だったモッズ〜スキンズらの間でカリスマ的な人気を集めるようになった。後にデッカーはレギュラー・ショーをもっていたイギリスに移住したものの、さまざまなトラブルに巻き込まれ恵まれない時期も過ごしたが、93年には久々に元スペシャルズのメンバーらとシングル「King Of Kings」、アルバム『Halfway To Paradise』をリリースした。
デッカーの完璧ともいえるファルセット・ヴォイスは、レゲエの歴史の中でも特筆すべき宝物であり、また初の世界的レゲエ・ミュージシャンとして彼の成し遂げた数々の成功は、広く認知されるべきものである。

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