初恋の嵐の記事・ニュース・画像一覧

「初恋の嵐」——なんてステキなバンド名なんでしょう。「初恋」と来て「嵐」。まったく相いれないこの２つの言葉が奇跡的に繋がったとき放たれる過剰なセンチメンタリズム……素晴らしすぎる。そして、音の方もすこぶる良い。いわゆるニュー・ミュージックと長髪ドメスティック・フォークの中庸とでも言おうか、「洗練」と「イナたさ」が微妙に入り混じったサウンド／メロディは絶品中の絶品である。また、適度に弛緩したバンド・アンサンブルも、雰囲気があってかなりグッド。手ばなしで賞賛したい、数少ないグループの一つだ。
非常に残念なことに、ソングライティングとヴォーカル＆ギターを担当していた西山達郎が、メジャー・デビュー直前の02年の３月に急逝。活動休止を余儀なくされる。その後７月には、西山氏が生前録音していた音源を残りのメンバーによって完成させた「真夏の夜の事」、８月にはファーストにしてラストとなるアルバム『初恋に捧ぐ』を発表。