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Chet Baker

(チェット・ベイカー)

壮絶な歴史をもつジャズ・トランペッターだ。何度もの浮き沈みを経験し、満身創痍ともいえる人生を送ったこの男の表現こそ、まさにジャズ……。
彼のハイライトが、自身のカルテット時代であることに議論の余地はないだろう。高度なテクニックを誇示しようとせず、肩の力が抜けきった状態でメロディを紡いでいくスタイルは、その甘いルックスと相まって、マイルス・デイヴィスを凌ぐ人気誇った。
それでも、ウェスト・コースト・ジャズを代表するジェリー・マリガン・カルテットに始まり、独立後の栄光時代は、麻薬に染まりスターの座から転げ落ちた経験ももつ。ヨーロッパをわずかなギャラのために転々とした時代と、1本の映画を撮れるほどの波乱万丈人生から生み出された晩年のサウンドも、枯れていながら非常に味わい深く、それでいてもの悲しい。
また、一聴すると女性のように聴こえてしまう中性的なヴォーカルも非常に魅力的だ。トランペットとヴォーカル——どちらを聴いても、1人の男の歩んで来た道をサウンドに透かして経験することができるだろう。

制作協力:
OKMusic

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