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女性ジャズ・ヴォーカルの巨星御三家(サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルド、カーメン・マクレー)が有名レストランの豪華料理とすれば、さしずめキャロル・スローンはおふくろさんの作るカレーライスの味というところだ。——いささか俗っぽい比喩になってしまったが、そもそも"御三家"の称号なんて誰かが勝手に決めたものが一人歩きしただけのものだから、必ずしも正しい評価とは限らない。あくまでもジャズ・ヴォーカル界の通念として捉えていただきたい。
キャロル・スローンは37年3月5日の生まれだから、実力、キャリア共に大ベテランである。歌手としてのスタートは14歳の時に参加した地元(ロードアイランド州プロビデンス)のダンス・バンド、エド・ドリュー楽団で、同楽団を振り出しに、58年、レス&ラリー・エルガート兄弟のそれぞれのバンド・シンガーとなり活躍する。60〜62年にかけてピッツバーグ・ジャズ・フェスティバルやニューポート・ジャズ・フェスティバルにも出演するなど、多くのジャズ・ファンにその名前を知られるようになった。
日本盤デビューは、62年 8月31日マンハッタンのスタジオに招待客を入れ、くつろいだスタジオ・ライヴ形式で吹き込まれた『Live at 30th Street』だ。また、彼女はデューク・エリントンを深く敬愛しており、共演は実現しなかったものの、77年にはエリントンの曲ばかりを集めたアルバム『SOPHISTICATED LADY』を発表。ジャズ・ヴォーカル・ファンには大変嬉しい贈り物となった。
声の質や唱法にはクリス・コナーの影響を感じさせるところもあり、その芳醇な歌い回しは多分に日本のファンに好まれるタイプだ。その他の作品には、『Subway Tokens』『Out of The Blue』『CAROL SINGS』『COTTONTAIL』など。 (山本晋平)

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