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あのL.L.クール・Jとの確執から、遂に彼に対するディス(=ディスリスペクト。けなすこと)・ソング「セカンド・ラウンドK.O.」(98年)をリリースしたキャニバス。また同年、同ナンバーを収録したアルバム『CAN-I-BUS』も発表する。しゃがれ声で言葉を吐き捨てるに繰り出されるそのマッチョなラップは、ややリズムを外し気味にしてフリーキー感を表出させている、キャニバス独特のスタイルだ。一方そのサウンドは、武骨なラップにしっくりくるはずの押せ押せムードのものは少なく、メロウなものが目立つ。そうしたトラックの毒気の少なさもあってか、このアルバムは前評判の割に大きなセールスを上げることができなかった。しかし、『2000B.C.』(00年)では、同様のラップ・スタイルを貫きながらもハードコアなサウンドを展開。前作に見られた“どっちつかず”のイメージを払拭した男臭い快作に仕上がっている。
しかし、しかしである。そのすべてのものに噛みつくようなスタイル(というよりアティテュード)のせいか、『2000B.C.』以降のキャニバスはメジャー・グラウンドから姿を消し、アンダーレイテッドの活動を余儀なくされる。だが、アングラにおいても怪気炎を吐き続け(05年までほぼ年1枚でアルバムをコンスタント・リリースしている)、そのパワフルなラップ・スタイルとリリカル・モンスターっぷりもあり、絶大な支持を維持し続けている。ハッキリと断言しよう。キャニバスはこれからのラッパーだ。キャニバスの、マグマのように地下活動している血気盛んのラップが再びシーンを席巻する、いや、シーンを震撼させる日も近い。

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