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サンフランシスコ出身の彼は、クールなウェストコースト・ジャズにラテンのリズムを融合させ、ジャズ・マニアのみならず大衆へもアピールすることに成功した。デイヴ・ブルーベック・バンドのドラム/ヴァイブ奏者としてキャリアをスタートさせ、ニューヨーク滞在中にはジョージ・シアリングとも活動を共にしている。ラテン・クラブへと足を運ぶようになったのも、ちょうどその頃のことである。彼はサンフランシスコで行われたティト・プエンテのショウに参加し、観客のポジティヴな反応に感銘を受け、その後、数週間にわたってスタンディング・オンリーのラフなクラブでの演奏を続けることになる。また、ファンタジー・レーベルからリリースされたマンボのアルバムは、彼がそれまでに制作したどんなストレート・ジャズの作品よりも好セールスを記録し、それは自身が結成したカルテットや、スタン・ゲッツとの作品を凌ぐ結果となった。そして、ソロ・プレイヤーとしては、ミルト・ジャクソンなどを思い起こさせるほどの腕前であり、60年代中期には、より実験的な方向へと向かっていった。小編成のグループからビッグ・バンド・サウンド、そしてエイジアン・スタイルまでさまざまな音を探究したのだ。まさに『ソウル・ソース』は、そうした時期の作品であり、一般市場でも成功を収めた数少ないジャズ・シングルとして、未だ人々の心に記憶されている傑作だ。82年、カル・ジェイダーはコンサートの真っ最中に亡くなったが、それは彼の才能が頂点に達していた時期でもあった。

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