Brickの記事一覧

(0件)

ジョージア州アトランタといえば、数多くのソウル/R&Bアーティストたちを輩出してきた音楽都市として有名だ。古くはジェイムズ・ブラウンやオーティス・レディング、新しいところではTLCやニヴェアやシアラなどの顔がすぐに思い浮かぶ。70〜80年代にかけて活躍したファンク・バンド=ブリックもアトランタを代表するグループのひとつである。
そんな彼らの魅力を凝縮する楽曲のなかでも最たる存在は、強力ファンク・チューン「ダズ」ということで間違いないだろう。76年のデビュー・アルバム『グッド・ハイ』に収録されたこのナンバーは、ディスコ・サウンドとジャズを融合させたひとつのダンス・クラシックである。ソリッドなドラム・リズム、70年代中期らしい硬質なベース・ライン、さらにダブル・トラックのファルセット・ヴォイスが渾然一体に組み合わさり、腰を揺らさずにはいられない熱烈グルーヴが生み出された。また、サックスにフルートに、八面六臂の活躍を見せるリーダー=ジミー・ブラウンの多才っぷりも見逃せない。
その後も、「エイント・ゴナ・ハート・ノーバディ」(77年)や「デュージック」(77年)など、ヒップホップの古典的ブレイクとなるファンク・チューンを連発、スター街道まっしぐらに突き進んでいった。80年には、レイ・パーカーJr.をプロデューサーに迎えて『サマー・ヒート』を発表。このアルバムはポップなサウンドのなかにクロいウネリを仕込ませた快作であり、ブリックのキャリア史上最高のセールスを記録。しかし、打ち寄せるデジタル化の波に抗うことはできず、80年代中盤以降、その活動は尻すぼみになってしまう(81年には解散していたという説もあるが)。
97年には久々の新作『セキュアード・イン・ダークネス』をインディから発表。結果的に“復活の狼煙”とはならなかったが、旧来のファンの歓喜を誘ったことはいうまでもない。

「Brick」の記事は現在ありません。