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Bo Diddley

(ボ・ディドリー)

ボ・ディドリーはロックンロールに多大なる影響を与えた。彼の名前自身がその音楽の大きな要素となり、カタルシス(自己投影から得られる快楽)を覚えるようなドラム・ビートとほぼ同義である。それだけではなく、彼はアフロ・アメリカン社会のストリート・ゲーム、ダズンズ (ラップの原型になったとされる言葉遊び)をロックンロールに持ち込んだ。また、彼は野性味溢れる、ハーモニーを駆使した独特のギター・スタイルを育んでもいた。その影響力はかのチャック・ベリーに匹敵し、音楽的な独創性は——異論もあろうが——ベリーを遥かに超えていた。彼のギター奏法は、自身の奥深くにある神秘的な領域で生まれた「モナ」や「ボ・ディドリー」などの定番曲においては、未来風のエフェクトや自然なディストーションがたっぷりと盛り込まれた凶器と化す。そしてレコーディングで彼は、ヴィブラートやリヴァーブの限界に挑んでいるのだ。また、少しずつ変化していくリズムに乗せ、1コードを延々と演奏しグルーヴを生み出し、それに乗って和音を駆使させて舞い上がるようなリードを響かせる。これはバックを務める、ジャングルを思わせるドラムのリズムとマラカスの組み合わせと同じくらい、彼のサウンドのトレードマークとなった。バディ・ホリーからローリング・ストーンズ、ジョニー・サンダーズ、そしてグレイトフル・デッドに至るまで、ありとあらゆるアーティストたちが、彼の曲をカヴァーし、題材に取り上げ、公然と引用することで敬意(オマージュ)を表している。
そんな彼の膨大な作品群には、ブルース、R&B、レゲエ、そしてエンジン全開のロックンロールなどがある。近年の作品はさすがに年齢による衰えを感じさせるが、50年代から70年代にかけての作品は、文化的なひとつの現象としてだけでなく、ロックンロールに興味がある人なら避けて通ることのできないものばかりだ。その手は傑作を生み出す。

制作協力:
OKMusic

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