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80年代末から90年代前半にかけて、サンフランシスコ郊外のイースト・ベイを拠点に活動していた男女混成のパンク・バンド。"Blatz"というバンド名は、アメリカで一番安くて一番まずいビールの銘柄から採られたという。それを知れば、91年に<LOOKOUT>から出した最初のレコードの7"EPのタイトル『Cheaper Than The Beer』のニュアンスも、なんとなくわかる。
そのレコードに続いて92年に出したのは、トライブ8とのスプリット7"EP『Stranger Fruit』(後に『Bitches and Brew』というタイトルで再発)。ちなみにトライブ8はレズビアンの人が集まったバンドで、そう考えるとブラッツのリベラルな意識が見て取れる。そして、92年にフィルスとのスプリット・アルバム『A Touch Of Blatz/Filth』を出すが、それからしばらくして解散してしまう。なお、以上のブラッツの全音源は、フィルスと2枚組CD『The Shit Split』で聴ける。
ブラッツの特徴は、女性と男性がヴォーカルをとる部分や徹底して粗削りなパンク・サウンドにある。とにかくこれぞパンク! というべき生硬っぷりなのだが、特に脳天を突き抜ける女性シャウトは凄まじく、思わず震えてしまうのだ。そして、グリーン・デイやランシドと同じベイ・エリアのパンク・シーンを根城にしていたことも重要で、ブラッツ分裂後もその絆は続いている。たとえば解散後にドラムのジョーイがやっているデッド・アンド・ゴーンのアルバムを、グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングがエンジニアで録音したのであった。 (行川和彦)

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