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フリースタイル・フェローシップ、ファーサイドあたりの、いわゆるグッドライフ・カフェを軸に広がったUSウェスト・アンダーグラウンド系譜。その系譜に入るアーティスト(の極一部)を列挙するので、ひとりひとりをじっくり噛み締めて欲しい。
リリックス・ボーン、タイム・マシン、ライトヘッデッド、マッドリブ、オー・ノー、カンキック、スペースボーイ・ブギー・X、Shing02、コサイナー、ダイレイテッド・ピープルズ、ビート・ジャンキーズ、クラウン・シティ・ロッカーズ、プロカッションズ、シェイプ・シフターズ、リヴィング・レジェンズ、アブストラクト・ルード、ジュラシック5、バスドライヴァー(ウェザー含む)、ハイエログリフィクス、ヴィジョナリーズ、アザーワイズ、L.A.シンフォニー、チョロランシンコ、M・ブギー、テイク(・ワン)、ノンス、オミッド……と、いくらでも名前が浮かぶ。それに、これらすべてのアーティストが一級品の音楽を創出しているのだから「今、アンダーグラウンドでもっとも面白いのが西アングラだ!」という意見にもうなずけるはずだ。まさに群雄割拠のシーンである。
と、本題(ブラッカリシャスの紹介)がまだだった。その西アングラ系譜に属するのが、この2人組ブラッカリシャス。サクラメントで出会ったギフト・オブ・ギャブとチーフ・エクセルはお互いの音楽的ディレクションの近さからすぐさま意気投合し、ティーム=ブラッカリシャスを結成した。ラッパーのギャブが吐き出す言葉は、今時珍しいくらいポジティヴ。そこにダークさやハードコア性の面影はなく、ポジティヴさにスピリチュアリティをまぶしたような、そして、パーソナルなリリックに仄かに知性とコンシャス性をスパイスしたようなリリックを展開する。一方のエクセルも、ギャブのポジティヴィティに反応/順応したソウルフルで丸い音像を生むトラック群を制作。そんな2人が奏でるサウンドは素晴らしい音世界を作り出し、聴き手をたちまちのうちに自分たちの世界観へと引き込んでいく。
そんなマジカルかつ魅力的なサウンド・プロダクションのおかげか、DJシャドウ率いる<SOLESIDES>に招き入れられたブラッカリシャスは、同レーベル(クルー)の発展型である<QUANNUM>からデビュー・アルバム『ニア』(00年)を発表。そして、その内容の秀逸さで大きなセールを果たしたためか、メジャーからもお呼びがかかり、<MCA>から2nd『ブレイジング・アロー』(02年)を発表した。05年現在は各自ソロや別働隊での活動が表立っている。
そして書き忘れてはいけないことがある。それは比類しがたいギャブのラップ・スキル。リスニング・イズ・ビリーヴィング、百聞は一聴にしかず、なので、その素晴らしさを分かってもらうには彼のラップを聴いてもらうのが手っ取り早い。ので、まずはカット・ケミスト制作トラック上でギャブの神業ラップが聴ける「アルファベット・エアロビクス」(99年発表のミニ・アルバム収録)を聴いて欲しい。ギャブはエイシーアローンやリリックス・ボーンと肩を並べるアメージング&オウフルなラッパーなのだ。

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