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まさに女性を痺れさす響き渡るような低音ヴォイス、微笑をたやさぬ人間味溢れる甘いルックス———もぉ、たまりません。ビング・クロスビーの発する言葉/歌/演技/雰囲気、全てがあまりに魅力的なのだ。
彼のヴォーカル・スタイルの特徴は、マイクを使って声を張り上げずに、ラクに発声する歌唱法(クルーニング)。そのスウィート・ヴォイスから喚起されるイメージは“古き良きアメリカ”だ。戦前にジャズ歌手として活躍していたことが、歌唱技術の基礎になったらしい。実弟であるボブ・クロスビーの楽団はもちろん、デューク・エリントン楽団、カウント・ベイシー楽団とも共演経験をもち、ジャズ・ヴォーカルの開祖といえる存在である。
そして、銀幕スターとしての彼———グレイス・ケリーとの演技が光った『喝采』(54年)、タイトル曲が彼の代表曲となった『ホワイト・クリスマス』(54年)、ケリーはもちろんルイ・アームストロング(tp、vo)やフランク・シナトラも出演している『上流階級』(56年)などなど……。クロスビーは、歌が上手い/演技が素晴らしい/カリスマ性がある——と、3拍子そろった他に類をみない超大型マルチ・タレント/ショウ・ビジネス界の帝王だった。
77年に74歳で他界したが、その存在は大きな影響と足跡を残している。生涯で57本の映画に出演、1700曲以上をレコーディングし、3億枚(?)のレコードを売り上げたという。彼の歌う「ホワイト・クリスマス」は毎年あちこちで流れ、次世代まで語り継がれることは間違いないだろう。20世紀アメリカを最も代表する映画スター/ポピュラー・シンガーであり、その作品は21世紀に残したい遺産である。

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