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ビリー・アイドルを一気にスターダムに押し上げたのは、「モォォ!モォォ!モォォ!」のリフレインと四角く歪んだ口もと、そして高らかにふりかざすコブシが強烈なインパクトを放った「反逆のアイドル」(83年)の爆発的ヒットだ。メカニックなキーボードと、エッジィなギター・カッティング、そして粗暴なパーソナリティの見事な三位一体——これは"アーティスト・ビリー・アイドル"の旨みが最も凝縮されたナンバーと言っていいだろう。
元セックス・ピストルズの親衛隊であるアイドルは、自身もジェネレーションX(後にジェンXと改名。名曲「ホワイト・ウェディング」はこの時に生まれた)なるパンク・バンドを結成し、77年にデビューしたが、メンバー・チェンジなどのトラブルによりあっけなく解散。81年には、ロンドンから単身ニューヨークへわたった。そして、新天地でカッティングの魔術師・スティーヴ・スティーヴンス(マイケル・ジャクソン、氷室京介とのセッションでも有名なギタリスト)と名プロデューサー、キース・フォーシーとの出会いを起爆剤に、その個性を一気に開花させたのだ。
ロックンロール/パンクをバックボーンにもつ至って肉感的なアイドルだが、ソロ活動を開始してからは、キーボード/シンセサイザーを大フィーチャーし、一貫して<ロックとテクノロジーのドッキング>を行なってきた。どこか近未来を思わせるような世界観(それはビデオ・クリップの演出にも過剰に反映されている)と、ストレートで煽情的なヴォーカル・ワークを武器に「ホット・イン・ザ・シティ」「アイズ」「モニー・モニー」「トゥー・ビー・ア・ラヴァー」など多数のヒット曲を輩出。——80年代を疾風怒濤の勢いで駆け抜けたのである。
94年に映画『スピード』の主題歌を手掛けて以降、日本ではあまり華々しい話を耳にしないが、40半ば過ぎた現在も精力的にツアー活動を行なっており、不屈の「パンク魂」は衰えていないようだ。

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