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彼はけして熱唱するタイプのシンガーではない。しかしビル・ウィザーズは、隣に座って訥々と語りかけるような唱法で、歌に込められたメッセージをジンワリと聴き手の心に内に染み込ませていく。
ビル・ウィザーズが最初にブレイクしたのは、ブッカー・Tがプロデュースしたデビュー・アルバム『ジャスト・アズ・アイ・アム』(71年)からのカット「エイント・ノー・サンシャイン」の大ヒットによる。ギターの弾き語りをその基調にした彼は、シンガー・ソングライター的なソウル・シンガーとして一躍注目を集めたのだ。しかし、彼がブラック・ミュージック史にその名を深く刻み込むのは、翌72年のゴスペル調のナンバー「リーン・オン・ミー」によって。優しく見守るような包容力と達観した視点をあわせ持つこの曲は、ベトナム戦争末期の疲弊した社会に生きる人々から熱烈に支持された。また同時に、メカニカルなファンク・ビートにニュー・ソウル的空気を溶かし込んだ「ユーズ・ミー」も大ヒットを記録する。
80年代には、クルセイダーズやグローヴァー・ワシントン・Jr.の作品に客演し再度のブレイクを果たしたビル・ウィザーズ。特にグローヴァーとの「ジャスト・ザ・トゥー・オブ・アス」は、アーバン・メロウ・ソウルの傑作曲として誉高い評価を獲得した。現在この曲は、数多くのトラック・メイカーたちにサンプリングされる大ネタとして君臨している。

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