Big Starの記事一覧

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メンフィス出身のビッグ・スターは、75年の解散から数十年を経た現在もカルト的人気を誇り、アメリカの音楽シーンにおいて強い影響力をもっている。メンバーは、作曲を手がけていたアレックス・チルトンと故クリス・ベル、そしてドラマーのジョディ・スティーヴンスとベーシストのアンディ・ハンメル。彼らのサウンドの礎は、純粋なポップ論者が研究を重ねた末の緻密なポップ感覚にあった。ザ・ビートルズ同様、ビッグ・スターの元気たっぷりなポップ/ロック作品には、高揚感あふれるハーモニー、耳について離れないサビ、そして今日に至るまで名手たちを悩ませるギター・リフがぎっしり詰まっている。とくに『サード(シスター・ラヴァーズ)』は、それまでの典型的なポップ/ロックの方法論から逸脱した、どこか影のあるアルバムで、ドラッグに導かれた心痛と失望混じりの現実観を最新のスタジオ技術をもって表現した代表的名盤である。
これまでに多くのミュージシャンが、70年代におけるビッグ・スターの存在を、60年代におけるヴェルヴェット・アンダーグラウンドを引き合いに出して語ってきている。

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